勝海舟記念下町浅草がん哲学外来Café

他者に対する共感的な理解を深めること

 異常気象のせいで通常ならば衣替えを完了しているはずですが、今年はまだその気になれません。とはいえ、エアコンを使用する日が少なくなってきたのは嬉しいですよね。
  10月の「勝海舟記念 下町(浅草)がん哲学外来哲学メディカルCafé」(以下、「がん哲カフェ」と表記)は、10月7日夜に開催されました。 9月は9月2日開催、この時点ではまだ日本国の首相は決まっておりませんでしたが、皇居での総理大臣親任式と閣僚の認証式を経て、10月1日、石破茂氏が正式に102代内閣総理大臣に就任し、正式に石破内閣が発足しました。できたてのホヤホヤ、念願の首相の座についたものの、さっそく野党やマスコミなどからあれこれ言われていますよね。国家の頂点にたつ人はプラス・マイナス両方の批判をうけるものですし、新首相も長い政治家人生を送っていらっしゃるのですから一喜一憂はされていないことと思います。

 この日のがん哲カフェには、開催場所に3人(宮原富士子、土屋千雅子、桑島まさき)、合計3名が集まり、近況報告や新内閣の話など世間話を中心に対話の場を持ちました。
 全国津々浦々に多くのがん哲カフェが存在する中、宮原さんと土屋さんは「一般社団法人がん哲学外来」の理事を務めています。宮原さんは事務局担当理事であることから、全国のがん哲カフェがきちんと機能しているかに配慮する必要があります。そういう点から、この日は「がん哲カフェを開きたい人、参加したい人、開設も参加もしないが支援したい人」についても考えました。

 政治に話を戻して、新首相のモットーは「納得と共感の政治」……。確かに納得いかない政治を進められると国民は迷惑至極、誰もがほどほどに満足(共感)できる政治に期待しています。
 ところで、「選択的夫婦別姓」問題がいまだに議論されていることに改めて驚いてしまいます。というのも、私事になりますがかれこれ20年ほど前、某媒体で女性問題の編集に関わっていたことがあり、当時この問題絡みのシンポジウムや集会などが盛んに開催されていてよく取材に足を運んでいました。党派をこえる盛り上がりをみせていたので、実現可能と期待したものですが……。新首相はこの問題に前向きな姿勢をみせていたようですが、党内の事情があるのか曖昧な発言にとどまったようです。“政治とカネ”問題も同じです。

浅草のがん哲カフェ主宰者の宮原さんは、多くの講演会やイベントなどで話す機会があり、当然ですがそのたびに資料を準備されております。最近の講演では、医療の二つの使命について語りました。それは次の通りでした。

○学問的・科学的な責任で、病人の病気を直接治療する。
○人間的な責任で、患者の人格に巣くっている問題の解決に手をさしのべる。

 がん哲カフェ同様に力を注いでいる「がん教育」についても、「がん教育は、健康教育の一環として、がんについての正しい理解と、がん患者や家族などがんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めることを通して、自他の健康と命の大切さについて学び、共に生きる社会づくりに寄与する資質・能力の育成を図る教育」と定義されていることを改めて言及しました。
  がん哲カフェを開きたい人、参加したい人、支援したい人、思いは人それぞれ違うようですが、がん哲カフェに関わる立場にある人は(医療者でない人は治療は無理としても)上記の使命に忠実に向き合うことが求められます。そのためには、がん教育、がん教室など学びを続けることが大事なのは言うまでもありません。

※一般社団法人がん哲学外来 http://www.gantetsugaku.org/index.php

【2024/10/7 がん哲カフェ】(文・桑島まさき/監修・宮原富士子)

 

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