勝海舟記念下町浅草がん哲学外来Café

時代が求めるがん哲カフェについて

 毎年のことですが、2月は確定申告をしなければいけませんので、1月にはあれこれ準備をはじめます。ある時期から電子申請をしていますが、1年経過するとやり方をすっかり忘れてしまい時間がかってしまいます。申告がすんだ時にきちんとメモをとったはずなのですが……。新しいPCのセットアップについても同じです。こちらは4年ぶりに購入したのですが、これまで自分ですべてやっていたのに部分的に忘れてしまい、不安なのでメーカーのサポートセンターに連絡し、教えてもらっているうちに色々思い出しております。

 毎月開催の「勝海舟記念 下町(浅草)がん哲学外来哲学メディカルCafé」(以下、「がん哲カフェ」と表記)、3月度は3月3日夜に開催されました。全国的に雪予報がだされた日で、午前中は20度近い気温だった台東区は昼頃から底冷えのする天気に変わり、関東地区の一部では雨から雪に変わった所もありました。乾燥する季節に雨や雪がふるのはいいとして、寒暖差が極端なのはこたえるものです。 ハイブリット開催(リアル、オンライン共)だったこの日は、これからがん哲カフェを立ち上げたいと希望する方の参加があっため、初心にもどりがん哲カフェの基本のキについて考えました。浅草のがん哲カフェ主宰者の宮原富士子さんは、その思いを次のようにFBに投稿されています。

~~~~2025-3-4 宮原富士子FB~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昨夜の勝海舟記念がん哲学Café(略称)では、新しくCaféを立ち上げたいという夫婦の方をお迎えし、初心に戻り、目指すところの時代の呼び声みたいなことを話す時間を持ちました。なかなかいい時間でした。目指すところと、それぞれの人の思いと、時代の変遷と社会背景がその時々によりその立場により異なることへの思い。がんという言葉に象徴されているけど、実はがん以外の多くの病気や社会的困難をあらわす意味合いも大きいと。また深めてゆきたいと思います (以下、省略)
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 基本にもどって考える機会は、もちろん今回だけではなく過去のカフェでもあり、例えば、2023年12月では、「基本に戻って考える時間」というタイトルでまとめております。※ http://www.asakusakanwa.net/g-cafe/20231204.html

  政府がうちだした高額医療費の自己負担額引きあげに対するニュースはいまだに続き、市民(特にがん患者などの継続受診が必要な人)の不安はいまだ解消されていません。医療技術はめまぐるしく進歩し新しいがん治療法が開発され延命の可能性があがる一方で、このような問題も発生します。がんという病気の位置づけが珍しくないものになったのですから、治療費もやすくなって欲しいものです。
  また、某新聞では、多忙すぎる消化器外科に携わる医師の数が将来的に減少し必要な手術をうけにくくなる(?)という報道もでています。ご存じの通り医療業界では、将来を担う若い医師たちが美容外科へ進む傾向が高くなっているのが実情です。個人の選択の自由とはいえ、不安を覚えるのは私だけではないでしょう……。
  がん哲カフェに集う方々は、居場所や医療情報をもとめる方たちばかりです。それだけに、がんに関する知恵や技術などが、全国津々浦々に存在するがん哲カフェの中で広まっていくことが求められます。

 不覚にも風邪をひいてしまい原稿をかくのが遅くなり、この原稿を書いているのは(3/10)で、この日は「東京都平和の日」となっています。いうまでもなく戦時中の東京大空襲(1945年)の悲劇を忘れないために制定されました。次の(3/11)は、東日本大震災(2011年)。(3/20)は、オウム真理教による地下鉄サリン事件(1995年)がおこった日です。
 時代の大事件だっただけにこの日がくるとニュースとしてとりあげられます。人々の記憶から消えてしまわないためにメディアとして必要なことですよね。他にも悲惨な出来事は多々ありますが、3月になると習慣的にこの日のことを思い出し考える時間をもっています。
 いろいろなことに慣れてしまうと緊張感がなくなる傾向がありますが、何事も初心を忘れないことが人生の基本のキですよね!

※一般社団法人がん哲学外来 http://www.gantetsugaku.org/index.php

【2025/3/3 がん哲カフェ】(文・桑島まさき/監修・宮原富士子)

 

勝海舟記念下町浅草がん哲学外来Café